こんにちは、若輩者です。
石油ストーブ
私は、今自身のパソコンと相対し文面をつづっている。と、身震いした。そういえば朝
から暖房設備を何もつけていない。私はヒーターの電源ボタンに手を伸ばし、ポチッと
押した。だが反応がない。コンセントは刺さっている状態且つオイルも満タンで、何
の欠陥もないはずなのに動かない。温度設定をしていないからかとメーターのボタンを
操作しようとしたその時、「ボッ」と火が付く音がした。そう、これは石油ストーブ。
このボタンを押してから作動するまでのタイムラグは今の時代ではなかなかないことか
もしれない。実家の暖房設備はボタンを押せば作動し、人感センサーで温度や風向きを
設定しタイマーなんかも自由自在。だからこそ私は躊躇したのだ。今ヒーターをつけて
から20分が経過する。が、部屋は全く暖かくならず「寒い」と「暖かい」が打ち解け
あって中和されている?いや、正直に言うと寒さが勝っている。それもそうだ。部屋が
満遍なく暖かくなるように部屋の角にストーブを配置したが、十分でない障子の隙間か
らベランダを通して伝わる冷たい外気が対角線上に私の目の前で熱気と押し合いへし合
いしている。こんな状況は実家ではありえず、この旧式がそろった環境が「時代の流行
に乗らない」という幸せを齎してくれている。
そう、私は実家から何百キロと離れた雪山のとある寮に住んでいる。